終活相談会の始めに、参加者全員にあることをお聞きします。
それは「ご自身の終活について、ご家族(配偶者や子ども)と具体的な話し合いをしたことがありますか」という質問です。
多くの方が「配偶者とは話したことがあります」と答えられますが、お子様と話し合いの場を持つ方は多くないようです。
「どうしてお子様と終活の話が出来ないのでしょうか」と質問をすると、ほぼ皆さま答えは一緒で「自分の最期のことで子どもに迷惑をかけたくないから」。
さらに「では、皆さまの最期を配偶者以外のどなたにお世話していただきますか」とお聞きすると「子どもしかいないとわかっているけれど…やはり子ども達には迷惑をかけたくない。」という結論になります。
でも、本当にお子様方は「迷惑」だと考えるでしょうか。
自分の想いを伝えず、子ども達の願いも聞かずに、本当に満足した最期を迎えられるのでしょうか。
相談会に参加された方々には、終活について家族間で考えを共有するのはとても有意義で大切なことだとお伝えしています。
さて、その方法ですが、例えば「まだまだ先の話だけど、お母さん今日終活の勉強会に参加してみたの」と話をするだけで、家族の意識が変わってくるでしょう。
すぐに話し合いには発展しないかもしれませんが、家族それぞれが日頃心の中で思っていることを話すきっかけにもなります。
実際に、後日、多くの方から「子ども達は子ども達なりに私の終活について考えてくれていました。”死”に関する話をしたら、縁起でもないなどと私が怒ると思って、今まで話を切り出せなかったようです」であるとか「配偶者も毎日顔を合わせて色々と心配をしてはいるが、言葉にはできなかったようだ」というお声を聞かせていただきました。
他人となら平気で話せることが、家族だとお互いを思いやる気持ちが壁になり、かえってうまく話せないものです。
終活相談会は、そんな家族同士の気持ちを確認するきっかけにもなるかもしれません。